頭上から微かな笑い声が聞こえた。彼は目を動かすだけで、顔は上げなかった。「念のために言っておくけど、三月ちゃんはいつもあなたを無表情だと言うけど、私はそうは思わない」「列車のアーカイブに新規入力の痕跡があった……でも保存結果はなかった」「つまり……どの項目に困ってるの?」彼はペンを強く握り、イメージだけで書いたノートの悲惨な状況を見た。「なるほど、あなた自身に関することね……」