通信機から仲間の声が聞こえた。彼は周囲を観察する。残党が廃棄された大型建築物の複雑な構造を進み、彼に近づいてきた。「少し時間が必要です」一瞬の静寂の後、大災害のような激しい爆発が起こった。衝撃波で砂塵が舞い煙が立ち込め、眩い光が夜空を昼と同じくらいに明るくした。「そこらじゅう、あいつらの仕掛けた爆薬まみれだとわかっていたよな?」マントを風になびかせる姿は、散歩でもしてきたかのようだった。「当然」「ですから、私が火をつけるマッチになればよいと」