「私たちの背後がベロブルグ、私たちが最後の防衛線……」「私たちだけは、何があっても、引くことは許されない!」顔を上げると、目の前には冷たい空と凍てついた大地、そしてどこまでも続く吹雪が広がっていた。全てがいつも通り。ただ、彼女がいつも見つめていた後ろ姿だけが、いなかった。