その時ふと、かつて彷徨い歩いていた日々の光景が脳裏に蘇った。あの頃も今と同じように、荒波を越え、風雪に晒され、巨獣と戦い、逆巻く奔流に抗っていた。
だが、息をつく束の間の休息は、決して孤独な時間ではなかった。
なぜなら遠く、遥か彼方に確かな光が見えていたから——
それは、すべての生命の願い。
砕けた大地では、もう新たな生命は育めない。彼らは少年の元へと集い、慰めと庇護を求めた。
それは、仲間たちが彼の心に残した言葉の数々であり、まるで終わることのない航路のように彼らをつなぐ堅い絆。
風と共に、彼を悩ます過去が再び波立ち始める。だが、歩んできたその道のりこそが、やがて新生のための力となるだろう。
「開拓の道は俺が護ろう」
少年は槍を構え、光の差すほうへと駆けていく——
「そして、一切の消えゆく希望も!」