「この世のすべてを手に入れたくば、先ずそなたのすべてを世に捧げよ。」
禁忌の都の聖主により、夜の国に祈りを捧げることが禁じられ、かつて築かれた精神的な絆は断たれた。
数々の試練をくぐり抜けた赤い瞳の少年に与えられた最後の試練は、最初の人神と同じように己の消滅に直面すること——黄金の短剣をもって心臓を捧げなければならないのだ。
自らの命を捧げるのは勝者の栄誉である。彼に迷いはなかった。鋭い光を放つ刃で自らの胸を切り裂いた。
犠牲は報われた。水のごとき光の国から再び帰ってきた彼は、ついに新たな偉業を成し遂げたのだ。