
再び苦難の道を歩む司祭
セット構成

再び苦難の道を歩む司祭
セット効果
2セット
速度+ 6% 。
4セット
味方単体に対して戦闘スキルまたは必殺技を発動する時、スキルターゲットの会心ダメージ+ 18% 、 2 ターン継続。この効果は最大で 2 層累積できる。
セットストーリー

司祭の音律奏でる耳飾り
彼は往々にして告解室の中に座り、耳を傾ける。その耳飾りは、どんなに小さな囁きにも重みがあるのだと、絶えず彼に思い出させてくれた。
「あなたの意志に従います。私は過ちを犯しました。それぞれのクランの間に隔たりがあると嘘をつき、その新聞種と引き換えに情報料を手に入れました……」
当主は窓越しでも、その記者が目を逸らして自分の反応を慎重に待っていることがわかった。それなら数えきれないほど繰り返されてきた「神聖な告解」のように――鈴の音のような慰めの言葉で信者たちに己の罪を悔い改めさせればいい。しかし今、彼は無意識に顔をそむけ、言葉を飲み込んでいる。耳元で金属の耳飾りが立てる澄んだ音も、今は雑音のように聞こえた。
「よくわかっています、これがデタラメな話だということを。デウムの恩に報いて、ファミリー全体が一丸となること…それこそが多くのクランメンバーの願いであり、彼らがデウムの元に身を投じる理由でもあります」
罪を告白した者は悔い改め、和音から赦しを得るための洗礼を受ける。当主は静かに目を閉じ、聖なる言葉を告げた――
「よろしい。他の家族に誠実な姿を見せ、流言飛語を訂正なさい。そうすれば、再び和音を取り戻すことができるでしょう。さあ、心安らかに帰りなさい」
真実の言葉と善意の言葉を語ることのどこに罪があるというのだろうか?彼の言葉は明確であったが、その音律は枷のように重く響いた。当主はため息をつき、首を横に振る。
「…次の方、前へ」

司祭の招請用の手袋
彼はしばしば訪問者を迎え入れたり、たくさんの人を館に招待したりしている。その手袋は謙虚さと礼儀を忘れないようにと彼を戒めていた。
「当主、この者たちは大切な用があるので当主にお会いしたいと申しております。ですが、うち何人かは身元が怪しく、夢に入った手段も一般的なものではありません……」
夢に侵入してきた招かれざる客たちが並んでいる。当然のことながら、悪意を持った殺人者は追い出され、身元を偽った犯罪者は拘束される。一言も発することなく、彼はすでにそれらの段取りを済ませていた。無実の者たちは彼の怒りを目の当たりにし、期待と不安が入り混じる中で目を輝かせている――すると彼はほほ笑み、目の前の者たちに手を差し出す。それは皆をオーク家へと迎え入れる招待の意であり、同時に威厳を示すものでもあった。
「皆さんはオーク家の大切な客人ですので、礼を尽くすのは当然です。なぜ自分が正当な評価を受けたのか、不思議に思われるかもしれません。少しだけ説明させていただきますと、それは皆さんが歩んできた『道』がワタシと重なったからです」
使用人、役者、無職の者…彼らは招待における誠実さを理解すると、次々に疑念を払拭し、懸念を一切残さなかった。
「罪人には相応の罰を、客人には相応の礼を。それが調和本来のあり方です」
当主は優しさと威厳の両面を見せ、訪問者たちの信頼を十分に勝ち取ったのだ。彼は一同を見渡してから、ゆっくりと一礼する――
「オーク家へようこそ」

司祭の聖職礼服
彼は普段から姿見の前に立ち、身なりを整える。外出前にすべてが整然としていることを確認し、あらゆるものが決して乱れることがないようにしていた。
「♬…鳥が生まれながら自由だと言うのなら、何が私の運命を縛っているの?」
リハーサルの日、ステージに立つ歌手の邪魔にならないよう、若き当主は観客席の隅に身を隠した。ちょうどいい距離感こそ、彼が望んでいたものだ。礼装を身に纏い、襟を正して座っている彼は、この時、たった一人の観客であった。馴染みのある歌声の中で、彼の思考は子供時代に戻っていく。あの時も同じように彼女は「ステージ」に立って歌い、彼はたった一人の観客だった――
「ここのところ、ずっと楽しく歌う機会がなかったよね…だから、ステージを用意したんだ。ちょっと…粗末だけど」
2人だけのコンサートで、彼はいつの日か彼女の夢を叶え、もっと大きくて輝かしいステージへ連れて行くと約束した。
「♬私の心を勇敢に羽ばたかせる、舞い上がり夜の闇を抜けて、美しい月の光に向かって飛べるように……」
彼はしばらくぼんやりしながら、ステージに近づけない理由に向き合った――礼装を身に纏っているのは、公演を楽しむためではなく、いつでもその場を離れられるようにするためだ。
「おめでとうございます、妹よ。ワタシたちの夢はすべて叶いました」彼は小声でそう言った。

司祭の苦旅を共にするブーツ
彼は毎回旅に出る前に、足に合ったブーツを選んでいる。彼は幾度となく転んだが、同じ回数だけ立ち上がった。
「行きなさい、あなたは自由よ。己の本分を超えようとした、神に選ばれし者…その翼を折り、俗世を訪れ、大地を歩き、この世界の真の姿を見てくるの」
以来、彼はよくカンパニーの幹部が放った言葉の意味を思い返していた。喧騒に包まれた街を歩き、静かな海辺を歩き…そうして歩き続けていたが、実際は一歩も前に進んでなどいない。彼は自分が不屈の精神を持っていることも、決断力や行動力があることも決して疑っていなかった。ただ、再び立ち上がる前に、彼は理想が地に落ちた時の硬い感触を存分に味わうつもりだったのだから——
「斑な石片は、獣の血と人の汗が染み込んでもなお、変わらず冷たく、粗く、硬いまま……」
クランを取り仕切る者として、彼はあまりに多くの迷える子羊たちを導き、正しい道を示してきた。しかし、自分自身に向き合った時、その優しい慰めは魔法を失い、もはや効果を発揮しなかった――それでいい、彼は叱責も、同情も必要としていないのだから。
「苦行者は泥の中でしか生まれません。歩み続ければ、ワタシは成功よりも失敗から多くを学ぶのでしょう」
本当の再出発が始まる前に歩を緩め、思考を整理する——彼には十分な時間があるのだ。
「歩くことに複雑な哲学はありません。一つの道に行き詰まったら、別の道を選べばいい…ただそれだけなのです」